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蒼の十字架21
「ま、そういうこった」

低い声だったがハッキリと二人には聞こえた。
視線を向けると男が嫌な笑みを浮かべて立っているのが暗闇ながら火のおかげで見えた。
影がまた一段と男の嫌らしさを際立てていた。

「お前は?と聞くだけ無駄か?」

「答えても構わんが俺が誰かより、何でこんなことをしたか?が問題じゃないのかい?」

最もだがそれを自分で言うだけあるのか相当、自信があるらしい。
しかし、これだけの町の騒ぎに城にいる兵士は何をしているんだ?
そんな風に疑問を持ったサクが城の方を見る。

「無駄だぜ。俺の一団が城を攻めてるからな」

「一団?」

こちらの火の音が強くて分からなかったが見てみると城の方から確かに銃声や戦闘音が聞こえ、あっちも火が上がっているようだ。

「じゃあ改めて聞こう。なんのつもりだ?」

「雇われ、言われた通りにした。まぁ、それだけだな」

「雇われた?」

あまり聞きなれない言葉にサクは聞き返した。
しかし、ユウジはピンと来たのか男に問い訪ねた。

「お前、猟兵か?」

「ご名答。この辺じゃあまり聞かないらしいがよく分かったな」

「猟兵って金で動く戦闘集団だっけか?」

「はい。戦闘力に関してはこの辺の国家じゃ勝てないでしょうね」

「ま、全ては金のためよ。お前らには恨みはないが依頼人の望みだ。消えてもらうぜ」

「金のためならこっちが提示以上出せば依頼は変えられるのか?」

サクの突拍子のない提案にユウジは呆気にとられたが猟兵の男も一瞬、目を開いたがすぐに額を手で抑えて声高らかに笑いだした。




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