蒼の十字架28
このタイミングで記述することでもないが大陸には国がいくつか存在していて、そこの血統の王族たちが自分たちの領土を国同士で決めて統治している。
サクたちの国は一般的に『蒼』と呼ばれている。
正式にはその後に国とか総称もつくのだが国によってバラバラのため、このような通称で互いの国を呼びあっている。
そして蒼の王子とお見合い相手に選ばれたのは『翠』の王家の末娘だった。
しかも血族的には王家ではあるのだがいわゆる分家の娘であり、異例のことだった。

「私で本当にいいのかな?」

当然、自分の立場が分かっているお見合い相手はこのことに戸惑っていた。
分家の末娘が自分の国のために隣国の王子と結婚することはもちろん誇らしいことだし、こういうことがなければ分家というのは意外と肩身が狭い。
実権は本家だから肝心なところでは発言権はないが国交においては力を発揮する。
ようは本家の血族にとってはいい力を持った駒扱いなのだ。
それだけに今回は分家の地位向上、そして本家との結びを良くする意味でも好機と言える。
別に本家との関係が悪いわけではないが分家を利用しているのは分かるし、分家も分家の立場があるから反抗は出来ない。
それを蒼国の王子と結婚となれば本家も今まで通りとはいかないだろう。

「向こうがミホ姉がいいと選んだのだからいいんじゃねぇの?」

「ん~……」

「そりゃ、うちのお姉様方はかなり不満ぶちまけていたけどな」

くっくっくっと笑う男性に対してミホ姉と呼ばれた女性はため息をついた。
そんな女性を男性は笑いながら肩を叩いた。





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