蒼の十字架40
「王子って確か靴にこだわりありませんでした?」

「あぁ、靴だけじゃなく服装にはうるさいからな」

「サクさん、その日、王子と出会った人に履いてたもの聞いてます?」

「いや、そこまでは流石に……」

「今から確認に行く?」

「その必要はないわよ」

ユウジの提案にリノは真っ先に否定した。
つまり、確認しなくても答えが出てるというわけだが……

「あの日、王子を見たのは城下町での騒ぎの人たち。ハッキリと証言したのは茶屋場のあの子だけだ」

ナオナリがリノが話しやすくするために話をまとめに入った。

「つまり、城の関係者たちは出かける際の王子を見てないんだ。なんで茶屋場の娘に聞かずとも言い切れるんだ?」

「言い切れるわけじゃないけど履いてた靴……というか草鞋だったんだけど……」

リノの言葉にまた三人は謎が深まった。
その理由はサクが口にした。

「いや、アイツ……草鞋は絶対に履かないぞ?」

「ですよね。見たことないですね」

「そこなんですよ」

サクとユウジの否定に対してリノがまさにという感じで言葉を返した。

「私が見た人、草鞋を履いていたんです。そして右足首に王子が普段つけている腕輪をつけてました」

リノの言葉にもちろん、三人はそのまま理解は出来なかった。
確かに今、話題の王子はある腕輪をつけている。
ここで簡単に説明してしまえば証みたいなものだ。
だが、それを足首に付け替える意味も草鞋を履いてる意味も分からない。
だが一つ言えることがある。
それをナオナリが確認をとった。

「リノを疑うわけじゃなく、確認だがそれ、本物だったか?」

それ、とはもちろん足首につけられた腕輪を指す。
リノも王子とはサクら同様の付き合いはしてるから実物は見ている。
だからこそのナオナリの質問だ。

「遠目だから……っていう言い訳はさせてもらうけど多分、間違いないわ」

「まぁ、あれは知ってる人が見れば目立つからな」

「となると問題は二つだな」

ナオナリが提示した二つの問題。
リノとユウジがそれぞれ答える。

「なぜ、腕輪を足首につけかえたか?」

「そして普段、履かない草鞋を履いてたか、ね」

「そう。あれは本来、隠すべきものだ。まぁ、王子は気にしてないが……足に付け替えた意味はあるんだろうが……」

「草鞋だと逆に足首は見えるからな」

「そういうこと」

リノが見たのは王子の可能性は極めて高くなった。
だが謎は深まった。





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