一方、その頃、その話題の蒼の王子の動向に視点をようやく向けようと思う。
城をいつも通り抜け出そうしているところからだ。
「さてと、サクは今、来れないはずだから今のうちに……」
王子が城を抜け出すルートは一つではない。
サクが潰せば潰すほど王子も新たに見つける。
もちろん、穴を開けるとかではないが城の性質上、他国に攻められたさいに裏の抜け道的なものは限られた上の人間は知っている。
当然、サクも王子も知っているからの駆け引き……いや、不毛なやり取りが続いている。
そして王子がそこの場所に近づいていった時にとある人物が声をかけた。
「王子、どこにいかれるので?」
「ッ!?」
王子が慌てて声の方向を見ると男性がニッコリと笑って立っていた。
その男性を確認すると王子は大きなため息をついて、目を細めた。
「驚かせるな、タイセイ」
「なに、オレって分かって安心してるんですか?」
「もちろんお前なら……」
「サクさんに伝えるっすね」
タイセイのあっけらかんとした態度でいい放った言葉に王子は顔色が変わった。
「ちょっと待て!お前、裏切るのか!?」
「いやー、直属の上司はサクさんだから」
「俺はその上だぞ?」
「だから見逃して来ましたがそろそろ捕まえないとサクに問題がいったらさすがにオレも考えもんかなーって思って」
今まで割と王子の動向を見張っていたタイセイ。
もちろん、サクの指示だがそれでも王子は抜け出してきた。
どうしてそんなことが出来たのか、その理由は……
「その様子だと今まで通りの金額じゃ済まなそうだな」
最低な理由だった。
王子としての権力を使うよりタチが悪いがそれで見逃してきたタイセイもタイセイだ。
「いやー、今回ばかりはね、見逃せないんすわ」
タイセイのお金にも揺るがない言葉に王子は何かに勘づいた。
まぁ、お金で本来、王子を城から逃がしていたタイセイがここまでお咎めがないのも大分、問題なのだがタイセイも今回は逃がさない気らしい。
「さてはお見合い話、まとまったな?」
「さぁ?オレじゃ分からないですけどサクさんが色々と多方面からの連絡を請け負ってるんで可能性は高いかもっすね」
タイセイの言い方でタイセイが本当に知らないことは分かった。
そして恐らく、お見合い話は進んだこともある程度、事実であろうと思っていた方がいいだろうと王子は察した。
「ふぅ、仕方ない。タイセイ、引く気はないか?」
「いや、オレのセリフなんだけどね」
そう言った途端、タイセイの身体に痺れが走り、その場に倒れ込んだ。
王子は少し顔を歪めた。
「ちょいとやり過ぎじゃね?」
さすがの王子も引く感じではあったらしい。
城をいつも通り抜け出そうしているところからだ。
「さてと、サクは今、来れないはずだから今のうちに……」
王子が城を抜け出すルートは一つではない。
サクが潰せば潰すほど王子も新たに見つける。
もちろん、穴を開けるとかではないが城の性質上、他国に攻められたさいに裏の抜け道的なものは限られた上の人間は知っている。
当然、サクも王子も知っているからの駆け引き……いや、不毛なやり取りが続いている。
そして王子がそこの場所に近づいていった時にとある人物が声をかけた。
「王子、どこにいかれるので?」
「ッ!?」
王子が慌てて声の方向を見ると男性がニッコリと笑って立っていた。
その男性を確認すると王子は大きなため息をついて、目を細めた。
「驚かせるな、タイセイ」
「なに、オレって分かって安心してるんですか?」
「もちろんお前なら……」
「サクさんに伝えるっすね」
タイセイのあっけらかんとした態度でいい放った言葉に王子は顔色が変わった。
「ちょっと待て!お前、裏切るのか!?」
「いやー、直属の上司はサクさんだから」
「俺はその上だぞ?」
「だから見逃して来ましたがそろそろ捕まえないとサクに問題がいったらさすがにオレも考えもんかなーって思って」
今まで割と王子の動向を見張っていたタイセイ。
もちろん、サクの指示だがそれでも王子は抜け出してきた。
どうしてそんなことが出来たのか、その理由は……
「その様子だと今まで通りの金額じゃ済まなそうだな」
最低な理由だった。
王子としての権力を使うよりタチが悪いがそれで見逃してきたタイセイもタイセイだ。
「いやー、今回ばかりはね、見逃せないんすわ」
タイセイのお金にも揺るがない言葉に王子は何かに勘づいた。
まぁ、お金で本来、王子を城から逃がしていたタイセイがここまでお咎めがないのも大分、問題なのだがタイセイも今回は逃がさない気らしい。
「さてはお見合い話、まとまったな?」
「さぁ?オレじゃ分からないですけどサクさんが色々と多方面からの連絡を請け負ってるんで可能性は高いかもっすね」
タイセイの言い方でタイセイが本当に知らないことは分かった。
そして恐らく、お見合い話は進んだこともある程度、事実であろうと思っていた方がいいだろうと王子は察した。
「ふぅ、仕方ない。タイセイ、引く気はないか?」
「いや、オレのセリフなんだけどね」
そう言った途端、タイセイの身体に痺れが走り、その場に倒れ込んだ。
王子は少し顔を歪めた。
「ちょいとやり過ぎじゃね?」
さすがの王子も引く感じではあったらしい。

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